はじめに (対象読者・この記事でわかること)

この記事は、JavaScriptとjQueryの基本的な知識があるWeb開発者を対象にしています。特にjQueryを使用したWeb開発を行っている中で、「Uncaught TypeError: $(...).on is not a function」というエラーに遭遇したことがある方に向けた内容です。

この記事を読むことで、このエラーが発生する原因を理解し、適切な解決策を実施できるようになります。また、同じエラーを再発させないためのベストプラクティスも学べます。jQueryのバージョンアップに伴う変更点や、最新のJavaScriptフレームワークとの連携に関する知識も深まります。

前提知識

この記事を読み進める上で、以下の知識があるとスムーズです。

  • HTML/CSSの基本的な知識
  • JavaScriptの基本的な知識
  • jQueryの基本的な知識とセレクタの使い方

jQueryの.on()メソッドとは?

jQueryの.on()メソッドは、イベントハンドラを要素にバインドするための強力なメソッドです。このメソッドはjQuery 1.7で導入され、従来の.bind().live().delegate()メソッドの後継として位置づけられています。.on()メソッドを使用すること、イベントデリゲーションを実装でき、動的に追加された要素にもイベントを適用できます。

しかし、この便利なメソッドを使おうとするとき、「Uncaught TypeError: $(...).on is not a function」というエラーに遭遇することがあります。このエラーは、jQueryのバージョンが古すぎる場合や、ライブラリの読み込み順序に問題がある場合などに発生します。この記事では、このエラーの原因と解決方法について詳しく解説します。

エラーの原因と解決策

エラーの原因

「Uncaught TypeError: $(...).on is not a function」というエラーが発生する主な原因は以下の通りです。

  1. jQueryのバージョンが古すぎる .on()メソッドはjQuery 1.7で導入されたため、それ以前のバージョン(1.6.4以前など)を使用している場合にこのエラーが発生します。

  2. jQueryの読み込み漏れ 必要なjQueryライブラリが読み込まれていない、または読み込み順序が適切でない場合にこのエラーが発生します。

  3. 他のライブラリとの競合 他のJavaScriptライブラリ(特にPrototype.jsなど)がjQueryの$関数を上書きしている場合に、jQueryが正常に機能しなくなることがあります。

  4. スクリプトの実行タイミング jQueryライブラリが読み込まれる前にスクリプトが実行されている場合にもこのエラーが発生します。

解決策

解決策1:jQueryのバージョンを確認・更新

まず、使用しているjQueryのバージョンを確認してください。バージョンが1.7未満の場合は、公式サイトから最新版をダウンロードして更新する必要があります。

Html
<!-- 古いバージョン (例: 1.6.4) --> <script src="https://code.jquery.com/jquery-1.6.4.min.js"></script> <!-- 最新版 (例: 3.6.0) --> <script src="https://code.jquery.com/jquery-3.6.0.min.js"></script>

解決策2:jQueryの正しい読み込み順序を確認

jQueryライブラリは、jQueryを使用するスクリプトよりも先に読み込む必要があります。以下のように、jQueryの読み込みを他のスクリプトよりも前に配置してください。

Html
<!-- 間違った順序 --> <script src="my-script.js"></script> <script src="https://code.jquery.com/jquery-3.6.0.min.js"></script> <!-- 正しい順序 --> <script src="https://code.jquery.com/jquery-3.6.0.min.js"></script> <script src="my-script.js"></script>

解決策3:他のライブラリとの競合を解消

他のライブラリがjQueryの$関数を上書きしている場合は、jQueryのnoConflictモードを使用して競合を解消できます。

Html
<script src="https://code.jquery.com/jquery-3.6.0.min.js"></script> <script src="https://code.jquery.com/ui/1.12.1/jquery-ui.min.js"></script> <script> // jQueryのnoConflictモードを有効に var $j = jQuery.noConflict(); // $jを使用してjQueryのコードを実行 $j(document).ready(function() { $j('button').on('click', function() { alert('ボタンがクリックされました'); }); }); </script>

解決策4:スクリプトの実行タイミングを調整

スクリプトがjQueryライブラリが読み込まれる前に実行されていないか確認してください。以下のように、$(document).ready()を使用して、DOMが完全に読み込まれた後にスクリプトを実行するようにします。

Javascript
// 間違った記述(DOMContentLoaded前に実行される可能性あり) $('button').on('click', function() { alert('ボタンがクリックされました'); }); // 正しい記述 $(document).ready(function() { $('button').on('click', function() { alert('ボタンがクリックされました'); }); }); // または、より短い記述 $(function() { $('button').on('click', function() { alert('ボタンがクリックされました'); }); });

ベストプラクティス

このエラーを再発させないためのベストプラクティスを以下に示します。

  1. 常に最新のjQueryを使用する セキュリティパッチやパフォーマンス改善のため、常にjQueryの最新版を使用するようにしましょう。

  2. CDNを利用する 公式CDNからjQueryを読み込むことで、キャッシュ効率を高め、ページの読み込み速度を向上させることができます。

  3. バージョン管理を徹底する プロジェクト内で使用するjQueryのバージョンを統一し、バージョン管理システムに登録するようにしましょう。

  4. 依存関係を明確にする jQueryを使用するスクリプトでは、jQueryへの依存関係を明確に記述し、チームメンバーに周知しておきましょう。

  5. エラーハンドリングを実装する jQueryの読み込みに失敗した場合に備え、エラーハンドリングを実装しておくと親切です。

Javascript
window.jQuery || document.write('<script src="path/to/your/local/jquery.min.js"><\/script>');

実際のコード例

以下に、jQueryの.on()メソッドを正しく使用したコード例を示します。

Html
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <title>jQuery .on() メソッドの例</title> <script src="https://code.jquery.com/jquery-3.6.0.min.js"></script> </head> <body> <button id="addButton">要素を追加</button> <div id="container"> <button class="dynamicButton">動的ボタン1</button> </div> <script> $(document).ready(function() { // 静的要素のイベントハンドラ $('#addButton').on('click', function() { var newButton = $('<button>').addClass('dynamicButton').text('動的ボタン' + ($('.dynamicButton').length + 1)); $('#container').append(newButton); }); // イベントデリゲーションを使用して動的に追加された要素にもイベントを適用 $('#container').on('click', '.dynamicButton', function() { alert($(this).text() + 'がクリックされました'); }); }); </script> </body> </html>

この例では、#addButtonをクリックすると新しいボタンが動的に追加されます。イベントデリゲーションを使用することで、後から追加された.dynamicButtonにもクリックイベントが適用されます。

まとめ

本記事では、jQueryの.on()メソッドに関する「Uncaught TypeError: $(...).on is not a function」エラーについて解説しました。

  • エラーの主な原因はjQueryのバージョンが古いこと、読み込み順序の問題、他のライブラリとの競合、スクリプトの実行タイミングの問題である
  • 解決策として、jQueryのバージョンを更新し、正しい読み込み順序を守り、競合を解消し、適切なタイミングでスクリプトを実行する
  • ベストプラクティスとして、常に最新のjQueryを使用し、CDNを活用し、バージョン管理を徹底し、依存関係を明確にし、エラーハンドリングを実装する

この記事を通して、jQueryの.on()メソッドに関するエラーを適切に処理できるようになったことと思います。今後は、jQueryの最新の機能やベストプラクティスについても学習を深めて、より効率的なWeb開発を行えるようになりましょう。

参考資料