はじめに (対象読者・この記事でわかること)

この記事は、Arduino IDEを使用してESP32の開発を行っている方、特に時間関連の関数を利用しようとしてコンパイルエラーに遭遇した方を対象としています。また、C/C++の基本的な知識がある方にも読みやすい内容になっています。

この記事を読むことで、ftime()関数がコンパイルエラーを起こす原因が理解でき、代わりとなる関数の使い方を学べます。具体的なコード例と実装方法を通じて、ESP32環境で時間を扱う正しい方法を習得できます。これにより、開発の効率化とエラー解決のスキルが向上します。

前提知識

この記事を読み進める上で、以下の知識があるとスムーズです。

  • Arduino IDEの基本的な使い方
  • C/C++の基本的な知識
  • ESP32の開発環境のセットアップ方法
  • Arduinoライブラリの基本的な概念

ESP32環境でのftime()関数の問題点

ftime()関数は、C言語の標準ライブラリに含まれる時間関連の関数の一つで、システム時刻を取得するために使用されます。この関数は、time.hヘッダファイルをインクルードすることで利用できます。

C
#include <time.h> struct timeb timebuffer; ftime(&timebuffer);

しかし、Arduino IDEでESP32開発を行う際にこのコードを使用すると、コンパイル時に以下のようなエラーが発生することがあります。

undefined reference to `ftime'

このエラーは、リンク段階でftime()関数の実装が見つからないために発生します。ESP32開発環境(arduino-esp32)やESP-IDFでは、標準のCライブラリが完全にはサポートされていない場合があり、ftime()関数が実装されていないことが原因です。

解決策:代替関数の実装方法

ftime()関数の代わりとして、以下の方法が考えられます。

ステップ1:time()関数とlocaltime()関数の使用

最も簡単な代替策は、time()関数とlocaltime()関数の組み合わせを使用することです。

C
#include <time.h> time_t rawtime; struct tm * timeinfo; time(&rawtime); timeinfo = localtime(&rawtime);

この方法では、秒単位の時間を取得できますが、ftime()が提供していたミリ秒単位の精度はありません。

ステップ2:millis()関数の使用

Arduino環境では、millis()関数が提供されています。これを使うことで、マイクロコントローラ起動からの経過時間をミリ秒単位で取得できます。

C
unsigned long currentTime = millis();

ステップ3:自前のftime()関数の実装

もしftime()関数と同じインターフェースが必要な場合は、自前で実装する方法があります。

C
#include <time.h> #include <sys/time.h> // ftime()の代替関数 int my_ftime(struct timeb *tp) { struct timeval tv; if (gettimeofday(&tv, NULL) != 0) { return -1; } tp->time = tv.tv_sec; tp->millitm = tv.tv_usec / 1000; tp->timezone = 0; tp->dstflag = 0; return 0; }

この関数を使用する場合は、以下のように呼び出します。

C
#include <time.h> struct timeb timebuffer; my_ftime(&timebuffer);

ステップ4:ESP32特有の時間関数の使用

ESP32では、esp_timerライブラリを使用することもできます。

C
#include "esp_timer.h" int64_t time_us = esp_timer_get_time();

これにより、マイクロ秒単位の時間を取得できます。

ハマった点やエラー解決

エラー1: undefined reference to `ftime'

原因: ESP32の標準ライブラリにはftime()関数が実装されていない。

解決策: 上記の代替関数を使用するか、time()とlocaltime()の組み合わせを使用する。

エラー2: time.hヘッダが見つからない

原因: Arduino IDEの標準環境ではtime.hがサポートされていない場合がある。

解決策: ESP32特有の時間関連ライブラリを使用するか、自前で実装する。

エラー3: gettimeofday関数が未定義

原因: 一部のESP32環境ではgettimeofday関数がサポートされていない。

解決策: esp_timerライブラリを使用するか、自前で実装する。

まとめ

本記事では、ESP32開発環境でftime()関数を使用する際に発生するコンパイルエラーとその解決策について解説しました。

  • ftime()関数がコンパイルエラーを起こす原因は、ESP32環境での標準Cライブラリのサポート不足
  • 代替策としてtime()とlocaltime()の組み合わせmillis()関数自前のftime()実装ESP32特有のesp_timerライブラリなどが利用可能
  • エラー解決のポイントは、使用している環境に適した時間関連関数を選択すること

この記事を通して、ESP32開発における時間処理の問題を解決する方法が学べたことと思います。今後は、より高度な時間処理やタイマー制御についても記事にする予定です。

参考資料