はじめに (対象読者・この記事でわかること)
この記事は、Zabbix管理者やシステムエンジニア、インフラ監視担当者を対象としています。特に、Zabbixのメール通知機能を設定しているが、テストメール送信時にエラーが発生して困っている方に向けています。
この記事を読むことで、Zabbixでテストメール送信時に発生する「SyntaxError: Unexpected end of JSON input」というエラーの原因を理解し、具体的な解決策を実施できるようになります。また、同様の問題を未然に防ぐための設定ポイントも学べます。
Zabbixのメール通知はシステム監視において重要な機能ですが、設定ミスにより通知が正常に動作しないと、重大な問題を早期に発見できなくなる可能性があります。本記事では、この問題を効果的に解決する方法を具体的に解説します。
前提知識
この記事を読み進める上で、以下の知識があるとスムーズです。
- Zabbixの基本的な操作方法
- メールサーバーの設定に関する基本的な知識
- JSON形式のデータ構造に関する基本的な理解
メインコンテンツ1:エラーの概要と背景
Zabbixは、システムの監視データを収集し、閾値を超えた場合に通知を送信する機能を提供しています。通知方法の1つとしてメール通知が利用できますが、設定をテストする際に「テストメール送信」機能を使用することがあります。
この機能を使用すると、Zabbixサーバーは設定されたメールサーバーにテストメールを送信しようとします。しかし、場合によっては「SyntaxError: Unexpected end of JSON input」というエラーが表示されることがあります。
このエラーは、JavaScriptのJSON.parse()関数が不正なJSONデータをパースしようとした際に発生するエラーです。Zabbixの内部処理でJSON形式のデータを扱っている際に、構文エラーが発生したために表示されています。
このエラーが発生する主な原因は、以下の通りです:
- メールサーバーの設定に誤りがある(ホスト名、ポート、認証情報など)
- Zabbixの設定ファイル(zabbix_server.confやzabbix_proxy.conf)のパラメータに誤りがある
- メールテンプレートの設定に問題がある
- Zabbixのバグやバージョン固有の問題
特に、JSON形式の設定を扱う際に、カンマの欠落や引用符の不一致など、小さな構文ミスでもこのエラーが発生することがあります。
メインコンテンツ2:具体的な手順や解決方法
ステップ1:エラーの再現方法
まず、エラーを再現する方法を確認します。
- Zabbix Webインターフェースにログインします
- [管理] > [メディアタイプ] に移動します
- メールメディアタイプを選択し、[テスト]ボタンをクリックします
- 「テストメール送信」ダイアログで、テストするユーザーを選択し、[テスト]ボタンをクリックします
この操作により、Zabbixは設定されたメールサーバーにテストメールを送信しようとします。設定に問題がある場合、「SyntaxError: Unexpected end of JSON input」というエラーメッセージが表示されます。
ステップ2:原因の特定
エラーが発生した場合、以下の手順で原因を特定します。
2.1 メールサーバーの設定確認
まず、メールサーバーの設定に誤りがないか確認します。
- [管理] > [メディアタイプ] に移動します
- メールメディアタイプを選択し、[編集]ボタンをクリックします
- SMTPサーバー、SMTPポート、SMTP認証、SMTP helo、SMTP email などの設定を確認します
特に、以下の点に注意してください: - SMTPサーバーのホスト名またはIPアドレスが正しいか - ポート番号が正しいか(一般的に25、587、465など) - 認証が必要な場合、正しいユーザー名とパスワードが設定されているか - SSL/TLSの設定が正しいか
2.2 Zabbix設定ファイルの確認
次に、Zabbixの設定ファイルに誤りがないか確認します。
- Zabbixサーバーの設定ファイル(通常は /etc/zabbix/zabbix_server.conf)を開きます
- 以下のパラメータを確認します:
-
AlertScriptsPath- 通知スクリプトのパス -ExternalScripts- 外部スクリプトのパス -SNMPTrapperFile- SNMPトラッパーファイルのパス - その他の設定パラメータ
特に、AlertScriptsPathの設定が正しいか確認してください。このパスは、通知スクリプトが配置されているディレクトリを指している必要があります。
2.3 メールテンプレートの確認
次に、メールテンプレートの設定に問題がないか確認します。
- [管理] > [メディアタイプ] に移動します
- メールメディアタイプを選択し、[編集]ボタンをクリックします
- メッセージテンプレートの設定を確認します
特に、以下の点に注意してください:
- メッセージテンプレートの構文が正しいか
- 変数の記述が正しいか(例:{ALERT.SENDTO}、{ALERT.SUBJECT}、{ALERT.MESSAGE})
- メッセージテンプレートにJSON形式のデータが含まれていないか
ステップ3:解決策
原因を特定した後、以下の手順で問題を解決します。
3.1 メールサーバーの設定修正
メールサーバーの設定に誤りがある場合、以下の手順で修正します。
- [管理] > [メディアタイプ] に移動します
- メールメディアタイプを選択し、[編集]ボタンをクリックします
- SMTPサーバー、SMTPポート、SMTP認証、SMTP helo、SMTP email などの設定を修正します
- [更新]ボタンをクリックして設定を保存します
修正後、再度テストメール送信を試みます。
3.2 Zabbix設定ファイルの修正
Zabbix設定ファイルに誤りがある場合、以下の手順で修正します。
- Zabbixサーバーの設定ファイル(通常は /etc/zabbix/zabbix_server.conf)を編集します
- 誤りのあるパラメータを修正します
- Zabbixサーバーを再起動して設定を適用します
Bashsudo systemctl restart zabbix-server
3.3 メールテンプレートの修正
メールテンプレートに問題がある場合、以下の手順で修正します。
- [管理] > [メディアタイプ] に移動します
- メールメディアタイプを選択し、[編集]ボタンをクリックします
- メッセージテンプレートの設定を修正します
- [更新]ボタンをクリックして設定を保存します
ハマった点やエラー解決
実際にこの問題に遭遇した際のケーススタディを紹介します。
ケーススタディ1:
ある環境では、Zabbixサーバーからメールサーバーへの接続にSSL/TLSを使用していました。しかし、メールサーバーの証明書が自己署名証明書であり、Zabbixサーバーがその証明書を信頼していませんでした。その結果、接続が確立されず、テストメール送信時にJSONパースエラーが発生していました。
解決策:
Zabbixの設定ファイルに以下のパラメータを追加することで、自己署名証明書を許容するように設定しました。
SSLCALocation=/etc/ssl/certs
TLSConnect=psk
TLSAccept=psk
TLSCAFile=/etc/ssl/certs/zabbix_ca.pem
TLSCRLFile=/etc/ssl/certs/zabbix_crl.pem
TLSCertFile=/etc/ssl/certs/zabbix_client.crt
TLSKeyFile=/etc/ssl/certs/zabbix_client.key
TLSPSKIdentity=PSKID
TLSPSKFile=/etc/zabbix/zabbix.psk
ケーススタディ2:
別の環境では、メールテンプレートにJSON形式のデータを誤って含めていました。具体的には、以下のようなテンプレートを使用していました。
{
"alert": {
"sendto": "{ALERT.SENDTO}",
"subject": "{ALERT.SUBJECT}",
"message": "{ALERT.MESSAGE}"
}
}
このテンプレートは、Zabbixがメール送信のために生成するJSONデータと競合し、パースエラーを引き起こしていました。
解決策:
メールテンプレートを以下のように修正し、JSON形式のデータを削除しました。
{ALERT.SENDTO}
{ALERT.SUBJECT}
{ALERT.MESSAGE}
解決策
以上のケーススタディから、以下の解決策が考えられます。
-
メールサーバーの設定確認 - SMTPサーバーのホスト名、ポート、認証情報が正しいことを確認します - SSL/TLSの設定が正しいことを確認します - 自己署名証明書を使用している場合、Zabbixの設定でそれを許容するようにします
-
Zabbix設定ファイルの確認 -
AlertScriptsPathなどのパラメータが正しいことを確認します - 必要に応じて設定ファイルを修正し、Zabbixサーバーを再起動します -
メールテンプレートの確認 - メッセージテンプレートにJSON形式のデータが含まれていないことを確認します - 変数の記述が正しいことを確認します
-
Zabbixのアップグレード - 使用しているZabbixのバージョンに既知のバグがある場合、最新バージョンにアップグレードします
-
ログの確認 - Zabbixサーバーのログファイル(通常は /var/log/zabbix/zabbix_server.log)を確認し、エラーの詳細を調査します - メールサーバーのログも確認し、Zabbixからの接続試行があったかどうかを確認します
まとめ
本記事では、Zabbixでテストメール送信時に発生する"SyntaxError: Unexpected end of JSON input"エラーの原因と解決方法について解説しました。
- エラーの主な原因は、メールサーバーの設定ミス、Zabbix設定ファイルの誤り、メールテンプレートの問題など
- 解決策として、設定の確認と修正、Zabbixサーバーの再起動、ログの調査などがある
- 自己署名証明書を使用している場合、Zabbixの設定でそれを許容するように設定する必要がある
この記事を通して、Zabbixのメール通知機能に関する問題解決の一助となれば幸いです。今後は、Zabbixの監視設定に関するより高度なトピックについても記事にする予定です。
参考資料
