はじめに (対象読者・この記事でわかること)
この記事は、データベース管理者、システム管理者、あるいはSQL Serverを導入しようとしている開発者を対象としています。特に、Windows Server環境でのSQL Server 2017のインストールを検討している方々に向けた内容となっています。
この記事を読むことで、SQL Server 2017をインストールするための適切なサーバ要件を理解し、実際のインストール手順を把握できます。また、インストールプロセスでよく発生する問題とその解決策についても学ぶことができます。これにより、スムーズにSQL Server環境を構築し、データベース管理の第一歩を踏み出すことができるでしょう。
前提知識
この記事を読み進める上で、以下の知識があるとスムーズです。 - Windows Serverの基本的な操作知識 - データベースの基本的な概念 - コマンドプロンプトやPowerShellの基本的な操作
SQL Server 2017のインストール要件と概要
SQL Server 2017は、Microsoftが提供するリレーショナルデータベース管理システムで、WindowsおよびLinuxプラットフォームに対応しています。本記事では、特にWindows環境でのインストール要件と手順に焦点を当てて解説します。
適切なサーバ環境を構築することは、SQL Serverのパフォーマンスと安定性に直結します。不適切な環境でのインストールは、パフォーマンスの低下や予期せぬエラーの原因となります。そのため、インストール前には必ずシステム要件を確認し、必要なハードウェアリソースを確保することが重要です。
SQL Server 2017のインストール手順
ステップ1:システム要件の確認
SQL Server 2017をインストールする前に、以下のシステム要件を確認してください。
ハードウェア要件: - CPU: 1.4GHz以上のプロセッサ(x64版) - メモリ: 最小512MB(Express版)、2GB以上(標準版以降)、推奨4GB以上 - ディスク空き容量: 最少6GB(Express版)、5GB以上(標準版以降) - ディスク速度: 7200rpm以上のハードディスクドライブ
ソフトウェア要件: - OS: Windows Server 2008 R2以降(64ビット版)またはWindows 10/11(64ビット版) - .NET Framework: 3.5以降 - Windows PowerShell 2.0以降
ネットワーク要件: - TCP/IPプロトコルの有効化 - 必要なポート(1433など)の開放
これらの要件を満たしていない場合、インストールプロセスでエラーが発生する可能性があります。特に、メモリ容量不足はパフォーマンス問題の原因となるため、十分なリソースを確保することが重要です。
ステップ2:インストールメディアの準備
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Microsoft公式サイトからSQL Server 2017のインストールメディアをダウンロードします。 - SQL Server 2017のダウンロードページから適切なエディションを選択します。
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ダウンロードしたファイルを解凍し、インストーラーを実行できる状態にします。
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インストールメディアをUSBフラッシュドライブやネットワーク共有に配置し、インストール対象のサーバからアクセスできるようにします。
ステップ3:インストールプロセスの実行
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ダウンロードしたファイルを実行し、インストーラーを起動します。
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「インストール」タブを選択し、「SQL Serverの新しいインストールまたは既存のインストールの機能の追加」を選択します。
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「規約」画面で「規約に同意します」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。
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「インストールの更新」画面では、更新がないため「次へ」をクリックします。
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「機能の選択」画面で、インストールする機能を選択します。 - データベースエンジンサービス - Analysis Services - Reporting Services - Integration Services - Management Tools - Basic - など、必要な機能にチェックを入れます。
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「インスタンス構成」画面で、デフォルトインスタンスまたは名前付きインスタンスを選択します。
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「サーバーの構成」画面で、各サービスのアカウントを設定します。 - データベースエンジン: ローカルシステムアカウントまたは専用アカウント - その他サービス: 同様に適切なアカウントを設定
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「データディレクトリ」画面で、データベースファイルの保存場所を指定します。
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「ディスク使用量要件」画面で、必要なディスク容量が十分にあることを確認します。
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「サーバー構成」画面で、TCP/IPプロトコルが有効になっていることを確認します。
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「データベースエンジン構成」画面で、管理者アカウントを設定します。
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「Reporting Services構成」画面で、必要に応じて設定を変更します。
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「インストールの準備完了」画面で設定を確認し、「インストール」ボタンをクリックします。
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インストールが完了するまで待ちます。通常、30分〜1時間程度かかります。
ステップ4:インストール後の確認
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インストールが完了したら、SQL Server Management Studio (SSMS) を起動します。
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サーバーに接続し、データベースエンジンが正常に動作していることを確認します。
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システムデータベース(master, model, msdb, tempdb)が存在し、正常に動作していることを確認します。
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サンプルデータベース(AdventureWorksなど)をインストールし、正常に動作することを確認します。
ハマった点やエラー解決
エラー1: インストール中に「.NET Framework 3.5が見つからない」というエラーが発生
原因: Windows Server 2016以降では、.NET Framework 3.5がデフォルトでインストールされていないため。
解決策:
1. Windowsの「機能の追加」から.NET Framework 3.5をインストールします。
2. コマンドプロンプトを管理者として実行し、以下のコマンドを実行します:
dism /online /enable-feature /featurename:netfx3 /all /limitaccess /source:E:\sources\sxs
(E:\sources\sxsは.NET Framework 3.5のソースパスに置き換えてください)
エラー2: インストール中に「コンピュータの要件を満たしていません」というエラーが発生
原因: システム要件を満たしていない場合に発生します。
解決策: 1. CPU、メモリ、ディスク容量など、システム要件を再確認します。 2. 仮想マシンを使用している場合は、仮想設定で割り当てているリソースが不足している可能性があります。 3. ハイパーバイザのリソース割り当てを増やし、再度インストールを試みます。
エラー3: インスタンスの作成に失敗する
原因: 既存のインスタンスと名前が競合している場合や、インスタンス名が無効な場合に発生します。
解決策: 1. 既存のインスタンス名を確認し、競合しない名前を使用します。 2. インスタンス名は、1文字から16文字の英数字、アンダースコア(_)、ハイフン(-)を使用できます。 3. 特殊文字や予約語は使用しないようにします。
エラー4: TCP/IP接続ができない
原因: ファイアウォール設定やSQL ServerのTCP/IP設定が原因で発生します。
解決策: 1. WindowsファイアウォールでSQL Serverのポート(デフォルト1433)を開放します。 2. SQL Server Configuration ManagerでTCP/IPプロトコルを有効にします。 3. SQL Serverサービスを再起動します。
まとめ
本記事では、SQL Server 2017のインストール要件と手順について解説しました。
- システム要件の確認がインストール成功の第一歩
- 適切なハードウェアリソースの確保がパフォーマンスに直結
- インストールプロセスでは各設定を慎重に行う必要がある
- よくあるエラーとその解決策を把握しておくことが重要
この記事を通して、読者はSQL Server 2017を適切なサーバ環境にインストールするための知識を得られたことでしょう。今後は、インストールしたSQL Serverの基本操作や管理方法についても学習を進めることで、データベース管理のスキルをさらに向上させていくことができます。
参考資料
- SQL Server 2017のシステム要件 - Microsoft公式ドキュメント
- SQL Server 2017のインストール手順 - Microsoft公式ドキュメント
- SQL Server Management Studio (SSMS) のダウンロード
